02 September 2019

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落葉樹が冬に枯れて落ち葉が落ちる理由

 

樹木にはいろいろありますが、一年中葉が緑色をしている常緑樹と秋に葉が紅葉になり冬に葉を落とす落葉樹があります。

落葉樹はある季節に定期的に葉を落とす植物で、枯れた葉がすぐに落ちず翌年の春まで残る種類もります。

常緑樹は幹や枝に一年を通じて葉がつき年中緑の葉を見ることができる植物です。

サクラやヤナギなどの落葉樹は、秋も終わりに近づくと葉をふるい落とし、寒空に裸の枝を広げて冬を越します。

●植物が葉を落とすという現象

1年以上生きる植物にとって、葉が枯れて落ちることは葉っぱが死んだというのは少し違います。

正確には葉が枯れて落ちることは葉を捨てたというような感じで、植物にとって能動的な作業かどうかということです。

植物は、葉にあった栄養分を枝や幹に移動させ(転流)、葉への栄養分の供給を停止し、離脱(離層の形成)させます。

生物にとって死は徹底的に抗うものですが、落葉はきっちり準備して行われる生きるための営みです。

●植物が葉を落とす理由

・寒さや乾燥から身を守るため

植物は動物と同じ様に、葉の気孔を通して酸素を取り入れ二酸化炭素を排出する呼吸を行っています。

しかし、気孔の穴は水分を放出しやすい構造を持っているため、冬の乾燥した風を受けると水分を奪われてしまいます。

さらに葉自体も薄い構造をしているため、気温が低くなると凍結しやすいという弱点もあります。

そのため、冬の寒さと乾燥が厳しい季節に入ると、葉を落として休眠状態に入ります。

葉が沢山ついた状態で雪が降ると、雪が葉や枝に降り積もり葉が凍結したり枝が折れてしまいます。

冬に木を枯らすのは、霜害(葉の凍結)や雪害(雪で枝が折れる)から身を守るための適応です。

・冬は光合成がしづらい

植物は日光のエネルギーを利用し、空気中の二酸化炭素と水分を使って栄養を作り出す光合成も葉を通じて行っています。

しかし、冬になると日照時間が減るので光合成の効率が悪化します。

光合成から得られるエネルギーと、葉を維持するためのエネルギーが釣り合わなくなり採算が取れなくなると、葉を落とします。

冬に葉を生やしておく事には霜害や雪害などのデメリットも大きいため、葉を枯らしてしまって休眠してしまったほうが生き残りやすいということもあります。

●秋に葉が紅葉する理由

・葉が黄色くなる黄葉

秋になり気温が下がってくると、光合成の効率が悪化します。

すると、光合成に必要な葉緑素を分解し、葉が落ちる前に木の中に栄養を取り込んでしまおうという働きが発生します。

葉緑素はクロロフィルとも言われ、葉が緑色に見えるのはクロロフィルが色素としても機能しているからです。

そして葉からクロロフィルが失われていくに連れて、葉が黄色く見えるようになりますがこれが黄葉です。

黄色く見えるのはカロテノイドという色素の働きによります。

・葉の赤くなる紅葉

さらに気温が下がってくると、樹木は葉と枝の間に断層を作り出して栄養や水分が行き来できないようにします。

冬の間に無駄なエネルギーや水分が大気中に放出されるのを防ぐためです。

そして日光から葉を守る役目も果たしていたクロロフィルやカロテノイドが分解され始めると、今度はアントシアニンという赤色の色素を生成して光の害から葉を守ろうとします。

そのため、葉が赤くなる紅葉が起きます。

●冬に葉がない木が生きられる理由

冬に葉がない木が生きられる理由は、養分を枝や幹の皮に移してから葉を落とすためです。

落葉樹は秋から冬にかけて一斉に葉を落とす木で、気温の低い厳しい冬の時期を耐えしのぐために木が獲得した優れた性質です。

●木が冬に葉をつけたままのデメリット

・寒風害…乾燥した北風が強く吹くので、葉を通じて木の中の水分がうばわれてしまう
・霜害…葉に霜が降りるとその部分が凍って枯れてしまう
・雪害…葉に雪が降り積もると、その重みで枝や幹が折れてしまう

これらのことを防ぐためには、冬の前に葉を落として休む(休眠)という方法が有効なのです。

しかし、葉の中にも大切な養分が含まれていますので、葉の養分を枝や幹の皮(樹皮)の中に移してから葉を落とします。

秋に紅葉(黄葉)するのは、葉の中の葉緑素が樹皮に移動するために分解されることも一因です。

春が近づくと、木は樹皮に貯めた養分を使って新しい葉を広げます。

●落葉のしくみ

落葉する際は、葉のつけねのところにある離層という特別のさかいめができる植物の働きで枝から葉のほうへ水分かいかないようになります。

そのために、葉はひとりでに枯れてしまい離層のところから、離れて落ちます。

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