19 August 2019

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危険なハチ

 

ハチは希少性の高いものを合わせると、世界中に20万種以上も生息していると言われています。

しかし、人に危害を加える蜂はこの中でも限られてきます。

●人を刺す3種類のハチと、見分けるポイント

いちばん危険なのはスズメバチで、凶暴で毒も強く、集団で人を襲います。
中でも、土の中の巣はオオスズメバチなので要注意、他のハチを襲うほど攻撃的で毒性も最大です。

アシナガバチはスズメバチより攻撃性は低いですが、住宅地にも巣を作るキアシナガバチやセグロアシナガバチは、毒性が強く刺されるととても痛いので要注意です。

スズメバチとアシナガバチは腰の部分がくびれていますが、アシナガバチの方が細身で、足をだらりと下げて飛びます。

ミツバチやクマバチなど丸っこくてずんぐり型のハチは安全です。
穏やかな性格なので、相当強く刺激しなければ刺されることはありません。

【スズメバチ】
・危険度…攻撃性や威嚇性が強く、巣に近づくだけで危険
・体…オレンジ系の色が多い
・巣…丸く、最大80センチ

*スズメバチを見分けるポイント
・胴体はオレンジ色っぽく、脚は黒いタイプが多い
・素早く、直線的かつ滑らかに飛ぶ
・巣はマーブル模様で丸い球状で何層にも重なっている、茶系の色
・巣の場所は軒下や木の枝など開放的な場所

【アシナガバチ】
・危険度…スズメバチほど攻撃性は強くないが、急に近付いたり刺激を与えると刺される
・体…黄色系の色が多い
・巣…シャワーヘッド型、最大15センチ

*アシナガバチを見分けるポイント
・胴体は黄色っぽく、脚は黄色いタイプが多い
・後ろ脚をダラリと垂らしフラフラと飛び、スズメバチよりもスピードは遅い
・巣は六角の巣穴が丸見えでお椀のような形、グレー系の色
・巣の場所は開放的な場所や、土の中・屋根裏・床下、壁の中、木の洞など、閉鎖的な場所にも作る

【ミツバチ】
・危険度…刺激を与えなければ攻撃されることはない
・体…ずんぐり太め
・巣…板型、最大1メートル

●スズメバチ

・警報フェロモンで集団で襲う
・毒液を飛ばして何度も刺す
・巣を守るために近づくと攻撃する
・夏に攻撃性が高くなるが、種類によっては秋まで活動

【主な特徴】

・日本で被害が最も多い
・体も巣も、ハチのなかで最大級
・攻撃性がとても高い
・体長は?40mm
・針から毒液を飛ばす
・巣を守るために、積極的な攻撃行動を起こす

【攻撃性・危険性】

巣の近くを通っただけで襲われることも多く、毎年約20人がスズメバチに襲われて死亡しています。

アナフィラキシーショック(呼吸困難や意識障害、全身の腫れなどを引き起こす症状)が非常に危険で、毒蛇や熊による被害よりもスズメバチによる死者のほうが多いくらいです。

スズメバチの毒液は毒のカクテルとも呼ばれ、特に神経毒は強力な作用があります。刺されるたびに毒が効きやすくなるため、一度目よりも二度目に刺された時の方が危険です。

スズメバチに刺された場合は、早急に病院で治療を受ける必要があります。

スズメバチの攻撃は刺すだけではく毒を霧のようにまき散らす攻撃も行い、噴霧された毒は仲間を呼ぶ合図にもなります。

目に入ると失明することもあり、呼吸気管に入っても危険です。

スズメバチはミツバチと違い毒液が続く限り何度でも刺すことができると言われていますので、集団で襲い掛かってくると命の危険につながります。

【種類】

日本に生息しているスズメバチは、大型のスズメバチ属7種、小型のクロスズメバチ属5種、ホオナガスズメバチ属4種の3属16種です。

スズメバチは種類によって攻撃性や習性が違い、中でも人の家や街に巣を作り人への被害が多いのは大型のスズメバチ属です。

・オオスズメバチ

体長は27~40mm、女王蜂は45mm前後、大顎で噛む力が強いです。

刺された時の痛みや腫れはハチの中でも最も激しく、多数のハチに刺された場合は死に至ることもあります。

巣は土の中に作ることが多く、えさをめぐって多種のハチと戦います。

攻撃性も非常に強く、7月?11月には刺される被害が多発します。

攻撃時は顎をカチカチ鳴らして針を何度も突き刺し、飛ぶ時のスピードは、最速で時速40キロ近くに達します。

・キイロスズメバチ

体長17~24mm、女王蜂は26mm前後、胴体全体に黄色の直毛が密生しています。

オオスズメバチに次いで危険なハチで、気性が荒く刺された場合は死に至ることもあります。

営巣場所は多岐にわたり都会で増えており、刺傷被害が最も多いハチと言われています。

巣に近づくととくに攻撃性が高くなるので注意が必要です。

巣が引っ越し中の場合、何度も同じ場所に巣を作り直します。

営巣は屋根裏や床下などの閉鎖的な空間が多く、巣は大きなボール状になることもあります。

・モンスズメバチ

体長21~28mm、女王蜂は29mm前後、屋根裏や壁の隙間など閉鎖的な空間に営巣することが多いです。

攻撃性は高めで、他のスズメバチと違い夜間活動する習性があります。

・ヒメスズメバチ

体長24~37mm、オオスズメバチの次に大きく腹部の先や針の付け根部分が黒くなっています。

営巣期間が短く9月には巣作りを終え、巣は小さいです。

比較的穏やかな性質で、近寄っただけではほとんど攻撃してきません。

・コガタスズメバチ

体長20~27mm、女王蜂は26mm前後、比較的穏やかな性質で静かに近づけばほぼ刺されることはありません。

作りはじめの巣は徳利を逆さまにした形状で、その後球体の巣が作られます。

・クロスズメバチ

体長10~15mm、黒色に白いラインが特徴で、ジバチやヘボなどとも呼ばれます。

攻撃性はあまり高くなく、土の中や屋根裏に巣を作ります。

【巣】

スズメバチの巣は多くが出入り口がひとつです。

外側は木片や樹皮をかじったものを唾液と混ぜて何層にも重ねて作ります。

形はボールのような球体やフラスコ状など数種類あり、色は茶系でマーブル模様、はじめは女王蜂だけで巣を作り始めます。

完成した巣穴からは、見張り役のハチが常に外を監視しています。

【活動時期】

スズメバチは夏に攻撃性が高くなりますが、種類によっては秋まで活動します。

攻撃性の強いオオスズメバチは他種のスズメバチやミツバチなどの巣を攻撃し、全滅させて巣を占領て幼虫はえさとして自分たちの巣へ運ぶこともあります。

オオスズメバチ…7~11月
キイロスズメバチ…7~10月
モンスズメバチ…7~9月
ヒメスズメバチ…8~9月
コガタスズメバチ…7~10月

●アシナガバチ

・体は細身で体調~26mm
・足をたらしてふらふら飛ぶ
・夏の6~8月に活動的になる
・特に危険な珠対は刺された痛みが激痛なキアシナガバチ、攻撃性が非常に高いセグロアシナガバチ

【主な特徴】

・日本で被害が最も多い
・体も巣もハチの中で最大級
・攻撃性がとても高い
・体長は~40mm
・針から毒液を飛ばす
・巣を守るために、積極的な攻撃行動を起こす

【攻撃性・危険性】

比較的おとなしいハチですが、巣に近づいたり人間が威嚇すると攻撃をしてきます。

アシナガバチの毒は種類によってはかなり強く、スズメバチと同様にアナフィラキシーショックを発生させることがあります。

一部の種類のアシナガバチに刺された痛みは、スズメバチを凌ぐとも言われています。

【種類】

日本に生息しているアシナガバチは、アシナガバチ属、ホソアシナガバチ属、チビアシナガバチ属の3属です。

・キアシナガバチ

体長21~26mm、日本のアシナガバチでは最大級で全体的に黄色部分が多い胴体をしています。

攻撃性も高く、巣に近寄ると腹を曲げ体を細かく振動させて威嚇します。

刺された痛みは、アシナガバチのなかで最も激しいです。

・セグロアシナガバチ

体長21~26mm、キアシナガバチとともに最大級のアシナガバチで背の部分が黒くなっています。

人家周辺によく巣を作り、攻撃性が高く巣に近づくと働きバチが威嚇や攻撃してきます。

毒性も強く、アナフィラキシーショックの死亡例もあります。

・フタモンアシナガバチ

体長14~18mm、黒い胴体で腹部に黄色い紋が2つあります。

よく見られるアシナガバチで、寒さに強いため北海道にも生息しています。

急に巣に近づいたり巣が振動すると、攻撃してきます。

・コアシナガバチ

体長11~17mm、小型ですが攻撃性はキアシナガバチほどではありませんが高くなっています。

人家にも巣を作ることが多いです。

【巣】

お椀を逆さまにしたようなハスの実のような形で、色は灰色・グレー系です。

外から六角形の巣穴(ハニカム構造)が見え、むき出しになっています。

樹皮と靭皮繊維を素材にして唾液などのタンパク質を混ぜ合わせて作られ、スズメバチの巣を凌ぐほどの強度がありつついたりする程度では壊れることはありません。

目立たない場所に巣を作るため発見が遅れることも多く、また巣を一度駆除してもまた同じ場所に再び巣を作られることもあります。

【活動時期】

アシナガバチが最も活動的になるのは夏の6月~8月です。

この時期のアシナガバチはオオスズメバチに攻撃されたり台風で巣をなくすことがあり、アシナガバチは巣を失うと人家の屋根裏や天井などに集団を作ることがあります。

攻撃性は低く、何もしなければ襲われる可能性は低いです。

越冬前の10月~11月や越冬後の3月~4月には、洗濯物や布団に女王蜂が紛れこむことがあるので注意が必要です。

●ミツバチ

蜜の採取や花粉の媒介のために飼われていることが多く、性格は穏やかで群れは数万匹に及ぶこともあります。

【主な特徴】

・攻撃性は低い
・体長は~20mm
・針がハチから抜け皮膚に突き刺さる
・1つの巣の中に数千~数万匹生息する

【攻撃性・危険性】

ミツバチは、刺激しないかぎり攻撃性はとても低いです。

野菜や果物などの受粉、蜂蜜の採油のために、人間に養蜂されています。

他のハチよりも長生きします。刺激を受けると攻撃してくるミツバチもいます。

ミツバチの針は刺さるとハチ本体から抜けて人体の皮膚から抜けなくなり、針はミツバチの体内と繋がっており刺すとミツバチは死んでしまいます。

毒性はとても強く毒針や毒液は強い匂いを発し、他のハチを誘うので危険です。

刺された場合は毒針を指やピンセットで抜き、水や葉などで刺された部分を洗ったりこすったりして匂いを消しましょう。

刺されてショック症状になる事例も発生していますので、注意が必要です。

【種類】

日本には東南アジアに分布しているトウヨウミツバチの一種であるニホンミツバチと、セイヨウミツバチの2種が生息しています。

・ニホンミツバチ

体長は12mm、巣は数年間使用します。

草花の蜜や花粉を集め性質は穏やかだが、女王蜂が死んだり農薬が撒かれると興奮して刺しやすくなります。

寒い時期は攻撃性が高まり、巣に近づくと攻撃されることもあります。

・セイヨウミツバチ

体長は13mm、一般的なミツバチはセイヨウミツバチを指すことが多いです。

攻撃性はニホンミツバチよりはやや高く、巣箱の移動時や農薬散布時などに刺されることが多くなっています。

【巣】

巣は平らな板が垂れ下がった形をしており、板が何枚か重なって大きくなっていき最大1メートルの幅にもなります。

【活動時期】

ミツバチは、他の蜂とは違う特徴があります。

・女王蜂以外も越冬できため、他の蜂より早い2月頃から活動する
・10月~11月、2月~3月、越冬の前後の寒い時期に攻撃性が高くなる

攻撃性の低いミツバチですが、寒い時期は異常に攻撃性が強くなります。巣に近づいただけで刺したり、集団で人を襲うこともあります。

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